なぜ総桐たんすは良いの?

桐は家具に使われる木材のなかで最も軽く、最も狂いの少ない材質です。
その木目の優雅な美しさに加えて、湿気を通しにくい、虫がつきにくい、熱を通しにくいなどの理由から、古くから衣服や貴重品の保存・保管に最適な材料として貴重性と共に重用されてきました。


「桐」の主な特徴

01材質が均一

家具に使われる材料の中で、ゆがみや変形等の少ない材質であるため、狂いが少なく
長期間に亘り形状を崩しません。
本物の総桐たんすであれば、将来の再生(洗い・修理)にも対応できます。


02軽量である

名古屋桐たんすの基本的な形である三つ重ねの型は、桐材特有の軽量さもあり現代生
活においても配置換えや引越しの移動等に、また狭い間取りにおいても大変利便性に
優れています。


03防虫性が高い

桐材にはタンニンが含まれているため害虫を寄せ付けにくい特長があります。
基本的に本物の総桐たんすであれば、防虫剤の類は必要ありませんが、どうしても不
安な方は無臭性の物をお奨めします。
強力な物は、箪笥や衣類にも臭いが付着し気分が悪くなる事がありますのでご注意く
ださい。


04気密性が高い

本物の品質の高い総桐たんすは、常にたんす全体が呼吸しているので内部は一定の湿
度に保たれています。湿った外気には膨張して外からの湿気を防ぎ反対に空気が乾燥
すると湿気を発散し収縮します。湿度に敏感に反応するため気密性に優れ、たんす内
部の湿度を一定に保つことにより、衣類を長期間に渡り保護します。


05防火性が高い

火に強く、かつ水にも強い為、火災の場合でも安全といわれています。
桐材自体は、比較的燃えやすいのですが、たんすのように箱の状態になると気密性が
高まり、外側が燃えても中まで火が入らず収納物が助かったという話は、新聞等でも
時々記事になることがあります。但し、質の高い総桐たんすに限られています。


06防湿性が高い

収納物を湿気によるカビや虫喰いから保護する事において桐は、透湿性が高く、通気
性も優れているため、日本特有の高温多湿の気候風土には最も適しています。一例と
して、雨が終日降ったりすると敏感に反応し、引き出しの開閉がよりきつくなり、湿
気をそれ以上たんす内部に入れないようになります。そして 天気が回復すると湿気が
蒸発することによって元のようにスムースに開閉できるようになります。これは桐材
の特性と優れた職人の腕(加工技術)によって成り立つものです。


※【注意】 以上の点は全て質の高い本物の総桐の製品に限られます。

主な桐箪笥の種類(明治〜平成)

 今でいう洋風家具の

 今でいう洋風家具の代名詞である婚礼セットが定着していない時代、桐たんすは日本の気候風土に最も合う家具として婚礼家具の主流となり数多く生産され普及していきました。
 当時、桐たんすは、外見は同じような形であっても仕様によって大きく4段階に分けられており職人にもそれぞれの型を作る専門職がおりました。
 それは当然、仕様によって品質・価格にも反映されています。おおまかに以下のように大別されますが、物の不足している時代には、桐たんすを持ってお嫁にいけるだけでも幸せという認識も当時はあったようです。


前桐たんす

たんすの前板の部分(正面)だけに、桐材が使用してあり他の部分は杉や樅などの材料を
使用している普及品と言えるでしょう。


三方桐たんす

たんすの前板と両側面に桐材が使用され、他は杉や樅などの材料を使用。このランクの製品が、再生依頼の品から推察しても一番多く流通していたと思われます。今でいえば、おそらく一般的なご家庭の両親が大切な娘のために親の想いを込めて娘に恥じをかかせないように持たせた品と推察されます。


四方桐たんす

三方桐たんすの裏板も桐材を用いた製品。他は杉や樅などの材料を使用。
このランクの製品は、余りお目にかかることは少ないです。
職人の腕も違うためか全体的な造りも比較的しっかりしており、長年使い込んでいても桐たんすらしい質感が残されています。勿論、使い方にもよりますが・・・。
当時としては地主とか勤め人とか商家の出の富裕層に多くみられるようです。


総桐たんす

桐たんすの最高峰。読んで字の如く総てが桐材を使って製作した逸品。湿気等にも敏感に反応し、大切な衣類をカビや虫食いから保護しうる最も質の高い総桐たんす。当時でも総桐を作る職人は数が少なかったといわれています。資産家の令嬢の婚礼道具としての用途と推察され、今でもたんす自体の狂いも少なく立派に使われています。


桐箪笥の見分け方



現在では機械化による加工技術の進歩によって新たな仕様の量産品が、残念ながら総桐たんすとして誤った認識のもと販売されているようです。

それは、<機械化された量産品の桐タンス>であり、例えば通販を主とする製品(これは、素人でも判別できますが)や外見は殆んど本物と区別がつかず、タンス本体が合板でできており、その上に桐の薄い板を貼った製品で総桐たんす本来の特長や将来の再生(洗い・修理)に対応できない品が総桐たんすとして混在して数多く流通しているので購入の際には注意が必要です。


購入者は、手作りの本物の

又、近年では桐の一枚板を使用してはあるものの量産形式による製品もあり、将来における狂いやゆがみ等の注意が必要です。購入者は、手造りの本物の総桐たんすを購入したつもりでも、量産メーカーが機械加工で製作した類似品であることが本当に多いのが実態です。 弊社のように、手造りにこだわってきたたんす屋から見ると、総桐たんすの本質を損なう類似品は、お客様にとっても大切な衣類がカビてしまった等の高い代償になりかねないと考えております。一つの目安として伝統的な仕上げの品においては、まず第一に、国の伝統的工芸品指定を受けている製品(伝統証紙が貼付)かどうかが、本物の総桐たんす購入の確かな品選びの一助になると考えます。第二には、その中でも品自体の質が高いかどうかの判別になります。


機械加工による量産品の桐たんす(他社製品)の例
【外観】(金具を取り洗った後の状態) 【内装】
【外観】と【内観】

【外観】
(金具を取り洗った後の状態)
外観は立派な総桐たんすに見えます。しかも胴丸型だからより見栄えもいいが…

【内装】
衣装盆を入れ込む内部を見ても素人の方には内部にベニヤ(合板)が使ってあることなど全く分かりません。

【天板】 【たんすの重ね合わせの部分】
【天板】と【たんすの重ね合わせの部分】

【天板】
例えばたんすの天板をはずしてみると 総桐たんすと思っていたのに…
しかもカラーボックス並みのダボ構造、側板も同様のベニヤ(合板)の張り合せ構造です。

【たんすの重ね合わせの部分】
天板と側板が組んであるので桐の一枚板を使ってある本物と思っていました。
ですが、よく見ると重ね木の部分で張り合わせの部分が隠してあります。
ごまかす技術(機械で)もここまで進歩しています。

【たんすの裏板の部分】 【特徴】
【たんすの裏板の部分】と【特徴】

【たんすの裏板の部分】
桐板だと思っていると、(ベニヤ)合板に桐の薄い板(シート)を張ったものでした。クギは「木クギ」ではなく、よく見るとプラスチック製のものが使われていました。

【特徴】
このような製品では総桐ではないので、本来の特長である湿気やカビから着物などを保護することもできませんし、万一の火災の時にもすぐに火が回ってしまいます。又、再生(洗い・修理)なども難しい(できません)。伺ったところ、100万円以上で購入されたそうです。着物の事を考えると、本物を見極めて間違いのない品をお選び下さいと願うばかりです。

備考欄
※ この製品は、他社製品の修理依頼品です。
線

  本物の証しである伝統工芸品の総桐たんすとは・・・

  本物の証しである伝統工芸品の総桐たんすとは・・・


「伝統的工芸品」

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